◆コーチ・カーター(137分)
おススメ度
「光とは一瞬の勝利ではなく、将来だ!」
ショップの店長が真の教育者に!社会派スポーツドラマ
 犯罪が多発するアメリカの下層エリアにあるリッチモンド高校。過去、この高校で優秀なバスケの成績を収めた名選手カーターはスポーツ用品店を営んでいますが、今ではすっかり落ち目になってしまったバスケチーム“オイラーズ”のコーチとしてリッチモンドに赴任します。試合は連敗、規律も希望もなく毎日を過ごすオイラーズと、それを容認し子どもの将来の芽を潰す地域社会に対して、コーチ・カーターが真正面から立ち向かった実話です。
 カーターは最初からスポーツの指導者ではなく「教育者」でした。初日からいきなり、メンバー全員と契約を交わすのですが、その内容が「成績平均○点以上」「授業に欠席しない」「教室の前列に座って授業を受ける」「試合にはジャケットとタイ着用」…等々を守れなければ退部、というものです。もちろん、通常の学生らしい生活を送っていれば楽に守れる程度の内容ですが、大学進学率が(確か)2%くらい?でやがては何割もの人間が犯罪に走ってしまうこのエリアにおいては、カーターの要求は学生だけでなくその親からも受け入れがたいと思わせるものだったのです。
 バスケそのものの指導も「キミは宗像コーチか?」と思わせるくらいキビシーもので、迫力があります。そして死にかけた魚みたいだったオイラーズも、やはりまだまだ素直なところを残す高校生、ただちに生き生きと反応してくる姿に爽快感を覚えます。彼らは自分が輝ける場所を本能的に渇望しているんですね。本当に厄介なのは大人の世界。子ども達が将来、犯罪者にならないために、勉強をして大学に行くことがいかに大切か。地域社会のエゴが子ども達の足を引っ張ってしまうという、アメリカの社会問題が浮き彫りにされます。カーターは、この大きな社会の圧力にも敢然と立ち向かいました。
 実話だけに、試合の結果は夢物語ではなくシビアです。しかしオイラーズは一瞬の勝利、一時の歓喜よりも得がたいものを、カーターの奮闘によって与えられたのでした。教師という職業に就いたからといって教師になれる訳ではないんですねえ。お店の店長をやっていた人でも、子どもに「
」を見ることのできる人が、「教育者」になるんですね。しみじみ。
 ヤクの仲介業者として染まってしまいそうだった、メンバーの中でも最も危うい存在だったヒスパニック系の学生が、最後にカーターに向かって自分の思いを素晴らしい言葉にして伝えます。自分の中にある「光」そして「恐れ」についての言葉です。これは誰かの言葉なのだろうか? それは分かりませんが、本当に深く心に迫る印象的な言葉で、この映画を観た価値をぐっと高めてくれました。
 じっくり描かれているといえばそうですが、
やや長すぎた感があったので星1つマイナスしました。