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◆キングダム・オブ・ヘブン(145分) おススメ度 「どうせならディレクターズ・カット版を見るべきだったのね…」 人の歴史の醜さ・愚かさを背景にオーランド様が光る 映画を見終わって思ったこと。「戦争の9割はくだらない理由で起こり、残りの1割はもっとくだらない理由で起こる」…とは誰の言葉だったか…(あ、アニメだ)。私にはキリスト教を毛嫌いしている兄がいますが、それももっともだと考えさせられました。私利私欲にかられた醜い人間に率いられた十字軍のために、無益な大殺戮が繰り返される様子は、よくもまあこんなバカなことをしたもんだとイヤんなりました。教科書で年表を覚えるだけでは、十字軍の実情など全然分からなかったのですが…もっと授業ではこういうことを教えてほしいですね。
戦いの描写は残酷です。勇壮だと褒める人もいるのでしょうが、腕や首が飛び、血しぶきとうめき声が上がり…私は非常に苦手で目を背けてしまうのですが、人の愚かさを伝えるためには見せないわけにいかないんでしょう。
ところで「サラディンが攻めてきた、キャーーどうしよう」とか、「あいつ(新王)マジでバカ消えろ」とか、「正義は宗教(政治)にではなく、心の清廉と実際の行動にあるのだ!」とか、そういう男らしい共感はしっかり味わったのですが、オーランド様演じる主人公バリアンの心理的変遷や、王の妹シヴィラとの禁じられた恋の機微という浪漫な部分がいまひとつ伝わってこないのです。聞くところによると劇場公開版は50分もカットされているらしい! そのためオーランド様の行動が納得できないまま進み、「この優男がどうして本物の騎士になれる?」という気分が残りました。しかしディレクターズカット版は「すべてが納得できる」と大変評判が良いので、機会があれば見てみたいものです。
とはいえ、エルサレムの民を知略と武勇を尽くして守ったオーランド様の最後の表情を見ると、「よっ、いい男!」と感動するに十分でした。
無宗教の私にはよく分かりませんが、エルサレムは今だに争いの種になっているんですよね。タネというより、ネタか…。「エルサレムには何も無い」とサラディンが悟っていたことが印象的でした。