◆真救世主伝説 北斗の拳〜ラオウ伝・殉愛の章〜(95分)
おススメ度
「ユーはしょーっく!」
あの名(迷)作が本当にカッコイイ話になってしまった
 いまなお伝説的な人気を誇るあの作品が、スロットになってまたもや超がつく話題になったかと思えば、昨年、遂に2度目の映画化がなされました。人々の心を捕らえて止まないこの作品の魅力は「男の血を揺さぶる熱い漫画」であるから…ではなく、例えば最初は誤植が原因とさえ言われる奇妙な死に際の叫び(「ひでぶ」など)、物語に整合性がなくなっても意に介することなく前へ前へと突き進む盲目性、リズム感のある暑苦しい決め台詞の数々、など沢山の突っ込みどころを盛り込んで読者にあらゆる隙を見せることで、逆に想像力や分析力を激しくかきたてているところにあると思われます。でありながら、最終的にはあらゆる敵が「強敵(とも)」となり、力技で感動の名場面に引きずり込まれてしまう…右脳派漫画の頂点と言いたいモノスゴイ作品。
 映画版は、この
破綻したストーリーを左脳でロジカルに組み立てて穴埋めするかのようなものに仕上がっていました。そのため、コミックにはいない新たな登場人物がラオウの人となりを補完すべく側にいたりします(コミックを読んでいる分には、途中までラオウはただのバイオレンス覇権主義者でした)。この点については特に思い入れの強い人にとっては賛否分かれるところだと思いますが、原作が破綻しすぎているので仕方がないような気がします。そして、物語全体をなかなか美しく補完できていたと思います。
 そう、この映画ではギャグ要素が一切、排除されています。勿論、「ひでぶ」や「あべし」もありません。漫画ではこじつけのような思い出話もとにかく整合性を見い出し、必要な分量だけ登場させています。だからサウザーの「お師さん!」も、ナシ(ちょっと、期待したんですが)。コミックやTVアニメと同じ質を求めず、
視点と話者が変わった同じ物語(原作は武論尊だが作者は原哲夫じゃないという感じ?)として見る分にはOK、非常によくできていると思いました。
 イラストはきれいです。北斗真拳で体を内部から破壊したり、南斗聖拳で体を切り裂いたりする残酷描写が苦手な人にも、比喩的な描写にすることで対応してくれています。TVアニメが放送されてた頃は怖くて見られなかったですからねぇ。ただ私は、シュウが足の腱を切られて聖帝十字陵へ登っている場面が、痛そうで見てられなかったです…。泣きましたが。やはりコミックと違い、色、音まで加わって表現されると時々、しんどいものがあります。
 ケンシロウがシュウの呼びかけに応えて立ち上がった場面であの名(迷)曲が流れます!その瞬間はちょっと鳥肌が立ちました。いや、アニメは見てないんですけどね…やっぱり、北斗の拳のテーマソングはこれしかありません。うむ、かっこいい。
 私の大好きなレイが出てこなかったのは残念でした〜(涙)今年の5月に第3部が公開されるとのこと…期待してます。