◆プラダを着た悪魔(110分)
おススメ度
「ああ、誰かさんを思い出す…」
(普通は)気楽に見られる定番コメディ
 オシャレなんて必要ないと頑なに信じ込んでいる、頭でっかちでモッサリした主人公が、キャリアアップのために不本意ながら最も華やかなファッション業界で修行することになり…最初は失敗を繰り返しながらも、次第に世界中の女の子の期待通り、とびきりオシャレに美しく変身して成功を収めてゆくという、定番のシンデレラストーリーを安心して楽しめます。
 これは多分コメディだと思いますので、「こんなんで仕事になるはずがない」とか「主人公の選択に同意できない」といった批判は無用です。超一流のファッションで目の保養をし、鬼上司メリル・ストリープの理不尽さとそれに必死で喰らいつく主人公のド根性を笑って見守る…まさに“
That's all”です。
 しかし個人的なことを言えば、この映画は、CMで予告をやっていた頃は面白そうだなと思いつつ、とても見られた気分ではありませんでした。仕事を辞めて1年近くが過ぎた今、ようやく心穏やかに見ることができます…そう、あの頃はまさに、メリル・ストリープにも劣らないくらいの破壊的上司に精神的に追い詰められていたので、予告編を見ただけで背筋がゾッとする想いをしていました。今回、全編を見てみて、メリル・ストリープのようにオシャレでも上品でもないけど、やっぱりどこか通じるものがあると恐怖を拭いきれませんでした…意外と、同じ気持ちでガンバッテいる女の子が日本には多いのかも? しかし、そんな悲惨な共感ができるからといって、この映画がより一層楽しめるか、といえばそうでもありませんが。
 今後しばらくは、我が家で“That's all”の台詞が流行りそうなことだけは、間違いありません。はい、皆さんで…“That's all”!