目の前に「歴史が見える」司馬遼太郎先生
…簡潔で的確な文体。人の本質を見抜く慧眼。美しい語彙。類まれな筆力で人間そのものを描き出す


竜馬がゆく
竜馬という人が、海のように広くこだわらない魂を持った魅力的な男として登場します。
幕末を駆け抜けた異才たちの熱い命の迸りに夢中になること必至!日本人必読の書。
最後は喪失感でいっぱいになります…この国は本当に惜しい人物を失いました。

項羽と劉邦
能なし大将を巡る、能ある男たちの個性が見事に描き出されていて面白い!
血塗られた残虐な歴史なんですが…1人1人の人間がいとおしく感じられる。さすがです。
古代中国の一風変わった風俗も非常に興味深く読ませてくれます。

詳細感想
梟の城
初期の作品で少々文体が小難しいが面白いです。物語性の強い作品。
掟に縛られた憂いの伊賀忍者・重蔵の「戦いと女とライバルと」。娯楽アクション活劇!
太閤秀吉ほか、脇を固める役者たちの存在感も見事です。
尻啖え(くらえ)孫一
日本一の鉄砲集団「雑賀党」の若大将・雑賀孫一の痛快活劇譚!
女好きで、戦上手で、自由闊達な魂を持った、誰もが愛してしまうチャーミングな男。
織田信長を狙撃する場面は、歴史が分かっていてもウズウズと期待してしまいました。
功名が辻
小心でうだつが上がらず、千代に踊らされる伊衛門がキュートで時に笑いを誘います。
土佐の守になってからはその無能っぷりが遂に露呈してやりきれない展開に。
千代は少々小賢しく鼻につきますが、可愛らしい部分を巧く描いています。

義経
流行歌にまでなったような「ヒーロー・義経」の姿はありません。
むしろ武士が台頭するその時代の要請を全く理解することができなかった「政治的痴呆者」
という、哀れな天才の悲劇を淡々と、時に滑稽に描いています。時代が…切ない。

詳細感想
箱根の坂
戦国時代の端緒を拓いた北条早雲の人物伝。こんな偉人がいたとは知りませんでした。
教科書では分からなかった室町末期の風俗・人情が生き生きと伝わってきます。
湖のような静けさを感じさせながら決して飽きさせない、心に染み入る円熟の作品です。

詳細感想
国盗り物語
前半は一介の浪人から手練手管で成り上がり美濃一国を「盗った」“蝮の道山”を、
後半は道山の愛弟子である2人の男、織田信長と明智光秀の命の迸りを、
ドラマチックに峻烈に描ききった、読み始めたら止まらない本物の「大傑作」!!!

詳細感想
新史太閤記
「人蕩し(たらし)の天才」秀吉の天性の陽気な魅力が詰まった1冊。
気難しい信長に愛され、天下をも手にしてしまう秀吉の見事な処世術が痛快。
生き方に陰りのさす後半生はいさぎよくカット。爽やかな読後感が味わえます。
関ヶ原
誰でも知っている関ヶ原の結末。が、そこに至る東西心理戦の臨場感のすごいこと!
豊臣政権への忠義に生きた石田三成の悲哀と、暗い智謀をめぐらす老獪な家康。
両陣営のどちらにつくかで幸運・悲運を決した、様々な武将たちの逸話も光ります。

多数の英傑を輩出した幕末。小藩・長岡藩の河合継之助という男も、間違いなくその一人。
優れた開明性を持ちながら、武士の志を貫き長岡藩という世界の中で美しく結晶した人。
こんな男、見たことない。感動しました。
燃えよ剣
土方歳三。幕末で揺れに揺れる世情にあって、一人、決して自分を変えなったケンカ職人。
悲劇的な最期を知っているだけに、その姿は暗く、孤高で、しかし美しいのです。
賢くは生きられない男。が、それを愛した人たちもいた。司馬さんも然り、でしょう。
人斬り以蔵
8つの短編集。変革期を生きた様々に個性的な男たちの姿を見事に切り取っています。
オチの妙味がそれぞれ違っていて飽きさせません。ぐっと心にせまるものあり、
クスッと笑ってしまうものあり。幕末の社会にはある程度詳しい方が読みやすいです。